ITにはサイバーリスクが付き物!サイバーリスクに備える保険

ITは日進月歩に進化しており、目まぐるしく成長している。

一方で、サイバーリスクも巧妙なものになっているのも確かである。2015年頃、筆者は情報システム部門に所属していたが、実際に存在する企業を名乗り、なりすましメールが社員に送られてきたり、ファイルを人質に取られ、身代金を請求されるランサムウェアが引っ切りなしに話題となった。

ITの進歩とともに、サイバーリスクからの脅威を防ぐ必要がある。しかし、完全に防ぐことは至難の技である。

近年では、サイバーリスクに備えるサイバーリスク保険というものが登場している。

 

サイバーリスク保険とは?

サイバーリスク保険は、既存の制限的な補償ではなく、サイバーセキュリティ事故に関するリスクを1契約でまとめて補償するものである。例えば、サイバー攻撃を受けて発生した損害賠償責任、サイバー攻撃を処理するために対応した費用、ネットワークを中断担保などを様々なケースに対応している。

サイバーリスク保険を取り扱っている保険会社は少なく、東京海上日動・三井住友海上が代表的である。

 

■InsurTechにもかかわるセキュリティ

上記のサイバーリスク保険が存在するように、国内・海外問わず、セキュリティ分野が注視されるようになってきている。安全・安心を買う時代になってきたのだろう。

保険業界では保険×ITを組み合わせたInsurTech(インシュアテック)分野に動きがある。InsurTechに必ず絡むIT。予測できるのは、保険業界はお客様の個人情報を多く所持しているため、今後も生命保険会社や損害保険会社がターゲットになりやすいことが考えられる。特に不正請求の抑止が必要である。

しかし、そこはInsurTechに関わるビッグデータが不正請求の抑止に貢献できる。さらには、取引内容をブロックチェーン技術により、不正アクセスや情報漏洩を阻止することでセキュリティが向上することが可能である。

 

InsurTechは保険開発の一手になるだけではなく、守りにも一役買う。

InsurTechによる新しい商品の誕生だけでなく、事業の継続性・セキュリティの堅牢性についても注目していきたい。