2018年に設立されたインシュアテック分野で最初の「プラグアンドプレイ（即時に利用可能な）」アルゴリズムアンダーライティングプラットフォームiCover。
ITC Vegas2023で注目されているAIスタートアップだ。2022年8月にPre-Series A資金調達で500万ドルを調達したことを発表している。
iCoverとは
iCoverは、保険業界におけるデジタルトランスフォーメーションを推進し、顧客体験を向上させることを目指して、2018年にインシュアテック領域で経験豊富な創業者たちによって設立された。
iCoverの独自のアンダーライティングフレームワークには、医療および非医療データに基づいて生命保険申請を評価・価格設定するための事前設定されたガイドラインとアルゴリズムが含まれている。特許出願中のQUI™技術とアルゴリズムアンダーライティングを活用して、iCoverは販売時点での見積もり、アンダーライティング、生命保険の提供を5分以内に行うことが可能だ。
iCoverは現在、複数の保険会社と協力し、収入保障、終活費用、定期・終身保険などの製品群を立ち上げている。
iCoverの創業者兼CEOであるハリ・スリニヴァサンは、「引き合いと勢いの面で、2022年はこれまで素晴らしい年でした。販売時点での迅速かつ正確なアンダーライティングは以前よりも関連性が高まっています。この資本注入により、私たちは2023年までの営業およびマーケティング活動を促進し、AIとブロックチェーンの分野での研究開発を拡大し、iCoverの知的財産を拡大することができます」と述べた。
eAppsのデジタル申込プロセス
iCoverのeAppsは、保険の申込プロセスをデジタル化するためのツールだ。紙ベースの申込書から電子フォームに移行することで、申込プロセスをデジタル化する。これにより、顧客はオンラインで直接保険に申し込むことができ、プロセスがより迅速かつ簡単になる。
eAppsは顧客の利便性を高めるだけでなく、保険会社が迅速に対応することにも効果的だ。電子フォームにはガイドがついており、必要な情報の提供を促し、入力ミスや齟齬を減らすのに役立つ。さらには申請が即時に処理され、顧客に保険を早く届けることができる。
iCoverのeAppは、アルゴリズムアンダーライティングと組み合わせることで、顧客が保険申込を数分で完了し、迅速に結果を得られるように設計されているのだ。これは、保険業界におけるデジタルトランスフォーメーションの一環として、顧客体験の向上に寄与すると高い評価を受けている。
QUI™︎で効率的なアンダーライティングを実現
QUI™︎は、保険の申込プロセスにおける革新的なアプリだ。消費者に対して迅速かつ直感的な体験を提供することを目指している。プロセスをシンプルにすることで、顧客が簡単に申請を完了できるようにする。
生命保険の申込書のうち21%以上に誤解を招く情報が含まれているという。正確な引受金額を決定するためには、消費者への的確な質問が欠かせない。しかし反射的な質問をしてしまうと、オンライン体験の低下、高い離脱率、そして不正確・無関係な情報の入力につながってしまう。QUI™︎では行動ベースの質問アプローチで設計されている。eAppsと統合することで直感的なデジタル購入体験を味わえる。iCoverのアルゴリズムアンダーライティング技術と連携し、保険申請のスピードと正確性を高める。
2023年に年金サービスを拡充
iCoverは現在、独自のe-Appおよび既存のアルゴリズムアンダーライティング技術を通じて年金サービスを提供している。
年金購入に対するニーズは様々であることを理解し、iCoverは独自の年金購入プロセスを開発した。このプロセスは、既存の生命保険プラットフォームと同じテーマに沿って設計されており、デザイン、速度、変換の基本原則に焦点を当てた簡単な5分間の購入コンセプトに沿っている。
年金の導入は、iCoverがその製品オファリングを多様化し、強化するための広範な戦略の一部である。市場のトレンドや顧客のニーズに対応し、様々な保険製品の購入プロセスをデジタル化し、簡素化することを目指している。
iCoverによる年金への進出は、その製品ラインの戦略的な拡張を表していると言える。iCoverの技術的な強みと市場でのパートナーシップを活用し、迅速かつ効率的な購入プロセスと保険サービスへの革新的なアプローチを組み合わせることで、Insurtechセクターにおける継続的な成長と影響を目指している。
