香港の有力なInsurTech企業として今まさに注目を集めているWesurance。
2017年の5月に創業してからスピード感のある開発で、同年の11月にはサービスをリリースする予定である。
その裏には想定しているユーザーに対応したUI/UX、サービス内容の戦略性の高さがあった。
AI×保険のInsurTech事業の一例として必見である。
企業基本情報
企業名:Wesurance
中心拠点:中国、香港
設立年:2017年5月
代表者名:Eddie Chang(Founder, CEO)、Natalie Fong(COO)
資金調達総額:非公開(2017年11月現在)
カテゴリ:Consumer Platforms
企業ホームページURL:https://www.wesurance.com.hk/
沿革
創業者の経歴
Eddie Chang(Founder, CEO、以下Chang氏)はIT戦略のスペシャリストである。大学を卒業後、Zida Computer Technology Limitedという会社を創業した。その会社で理事長かつマネジングディレクターを14年間務めている。会社全体のマネジメント、商品開発、商品戦略を一手に引き受けた。その後、5つの子会社を抱えるホールディングスであるGFI Group Incで新商品戦略のマネージングディレクターに就任。現在もその職を続けながら、同社を創業している。
Natalie Fong(COO)はCEOであるChang氏とは20年の付き合いを持つ。同社の創業にはChang氏による電話でのオファーを受けて参画した。
同社の沿革
2017年の5月に創業し、社員は同年10月に新卒を3人迎え22名となった。社員の半分はエンジニアである。新卒採用は若さと志の高さを基準としたポテンシャル採用だ。
同社のサービスはAIによる保険商品提案を行うモバイルアプリである。2017年11月に旅行保険、2018年第二四半期に定期生命保険のサービスをリリースする予定だ。2017年10月現在、資金はCEOのChang氏の所属する投資機関から調達している。
同社は初期の立ち位置として、保険代理店の立場で保険商品を販売する。しかし、香港では保険代理店の乗合できる保険会社は4社(うち、生命保険会社は2社が上限)までと法律で規制されている。そのため、最終的には保険会社や保険代理店としてではなく、顧客とそれらをつなぐIT企業となることを目指している。
2017年10月現在乗合を行っている保険会社は外資の保険会社1社である。
主要な顧客は20~34歳の若者を想定しており、サービス開始前から香港国内のすべての大学に直接アプローチをかけている。
サービスの内容
提供サービスの概要
AIによる保険商品提案を行うモバイルアプリを提供する。
ユーザーは“Amy”というAIアシスタントからの質問に答えていくことで、自身にあった保険商品を提案してもらえる。
顧客体験の質の高さを重視しており、スタイリッシュな西洋風のUIを採用している。
マネタイズは保険代理店と同じく、取引手数料である。
サービスの特色
基本的には無料で、保険商品購入の際にのみ支払いが発生する。
ユーザーは”Amy”からの4回の質問に答えることで最適な保険商品を提案してもらえる。
ユーザーの置かれている状況が複雑すぎる場合は、同社の抱える保険の専門家に相談することができる。
香港には保険比較購入サイトなどのサービスはすでにあったが、同社のようなAIとのやり取りにより顧客獲得をするサービスは初である。
若者層に着目したUI/UXとサービス内容で大きく差別化している。
COOであるNatalie Fong氏のインタビュー記事はこちら!