保険業界の在り方ごと変える!?【Lemonade】

P2Pとコーズマーケティングを組み合わせた全く新しい画期的なソーシャルインシュアランスを提供し脚光を浴びているLemonade。

保険の未請求分をすべてチャリティにするという全く新しい発想で、保険商品を定義しなおす。
またP2Pの仕組みによってユーザーが互いにリスクを回避しあう。

InsurTech(インシュアテック)で保険商品が大きく変化する…。そんな兆しを強く感じるサービスである。

企業基本情報

企業名:Lemonade

中心拠点:アメリカ

設立年:2015年

代表者名:Daniel Schreiber(Founder, CEO)

資金調達総額:$60,000,000(2017年10月現在)

主な資金調達元:Sequoia Capital / Aleph / Allianz

カテゴリ:P2P Insurance(P2P保険)

企業ホームページURL:http://www.lemonade.com/

 

沿革

創業者の経歴

Daniel Schreiberはスタートアップ企業をフォーチュン500に導いた技術リーダーである。
Alchemedia Inc.の共同創設者兼CEOであり、法人商業弁護士としてキャリアをスタートする。
Sandiskのマーケティング担当副社長、Powermat社長を経て、Lemonadeを創業する。
現在、AIと行動経済学に基づいて構築された保険会社である同社のCEOとなっている。

 

同社の沿革

従来の保険の仕組みでは、未請求分の保険料の料金は全て保険会社の利益となる。
これにより、保険会社はできる限り保険料の支払率を下げたいというインセンティブが発生する。
「保険金を申請したのに支払われなかった」というユーザーの悩みは、保険会社が自社の利益を追求する限り、解決されないのである。

 

Lemonadeは未請求分の全ての保険料がチャリティに寄付されるという仕組みでその悩みを解決する。

そうすることで、未請求分の保険料は保険会社の利益とならず、保険金の支払いに対する負のインセンティブは生じない。ユーザーは保険商品に自身のリスク回避とチャリティ貢献という二つの効用を見出して購入することとなる。そして、同社はユーザーが支払う保険料の一律20%を手数料として受け取るというシンプルかつ透明性が高いシステムで運営する。

新しい保険金の仕組みを提案することで、保険会社とユーザーのより良い関係性を社会に示そうとしている。

 

さらに、同社は「Bコーポレーション認証」を受けている。

同認証は、社会や環境に対して正のインパクトを創出することを事業目的とする組織に与えられる民間認証のことである。

 

サービスの内容

提供サービスの概要

全く新しい保険の価値観を提供するオンラインサービスである。オンライン保険マーケットであり、かつSNSとしての側面ももつ。

 

サービスの特色

①家具・家電などの家財保険を取り扱っている。

②ChatBotとのやりとりで、保険の見積もり・加入手続きを行う。

③ユーザーは保険に加入する際に同社が提示する社会的課題の中から自身が貢献したいテーマを選ぶ。
ex)ニューヨーク州の貧困支援、女性の支援、病児支援など

④保険が未請求だった時の保険金をそのテーマに関連するチャリティに寄付する。

⑤同じテーマを選択したユーザーは、Peer(仲間)となりつながる。(SNSとしての側面)

⑥つながったユーザー同士は互いに保険金が支払われるような事態にならないようにサポートし合う。(保険金が支払わなければ、その分寄付金として社会貢献ができるため)

⑦タップやスワイプといったスマートフォンに最適化されたUI/UXを持つ。

⑧行動経済学を組み込んだAIで詐欺の自動検知を行う。

 

ユーザーのメリット

①従来の保険商品にあった、保険金未請求額分の損失感がなくなる。

②保険商品を買うことで、自己のリスク回避と社会貢献を同時に行うことが出来る。