保険の種類にペット保険というものがある。人間と同じように病気・ケガによる入院・手術・通院にかかる費用を負担してくれる。ペットを飼っている方ならば、加入を検討する際にペット保険について調べたことがあるのではないだろうか?
ペットは人間と異なり、言葉を発さないため、自分の体調不良を訴えていたとしても気づいてあげられなかったり、動物病院に連れて行った方が良いのか理解することができないことがあるだろう。病気・ケガの早期発見ができれば良いが、できなかった場合は、高額の治療費が発生することがあるため、安心をとってペット保険に加入するという選択肢がある。
ITが発達し、2000年以降にペットの考えていることや状態がわかる商品が登場し始めている。例えば、株式会社タカラトミー(以下、タカラトミー)のバウリンガルは、犬の鳴き声から声紋解析し、6つの感情のひとつを判定し、翻訳辞書からその感情に対応する言葉をひとつ選んで表示できるというものである(※1)。iPhoneを持っていれば、スマートフォンアプリをiPhoneにインストールして気軽に利用することが可能だ。
また、2017年6月1日に、タカラトミーは株式会社ベネッセコーポレーションと共同で開発したウェアラブルデバイス「いぬのきもち お散歩Time」をリリースしている。これは、犬の首輪にウェアラブルデバイスを装着し、散歩を行うことでデバイスと連動したスマートフォンアプリで活動量を計測する。バウリンガルと異なり、犬の健康管理を目的とした専用ウェアラブルデバイスである。
このようにペットに特化したウェアラブルデバイスが登場することは、人間同様、家族として見守りたい飼主の想いから誕生したのだろう。では、人間の保険と同様にペットに特化したウェアラブルデバイスによる健康増進サービスに関するペット保険は存在しないのだろうか?
WEBなどで調べてみたが、まだ存在はしていないようだ。ペットの情報(ペットの種類・体格・年齢・心拍・体温など)と散歩した際に得られるデータ(歩き方・歩いた時間など)をウェアラブルデバイスで取得し、アプリ・インターネットを介して、ペットに関する有識者と連携できるようなサービスが今後、誕生するかもしれない。
保険業界では、ウェアラブルデバイスを利用した健康増進サービスは徐々に普及しつつある。今後、ペットに関する健康増進サービスも登場し始めると期待したい。
※1 使用する際の環境によっては、その場にそぐわない言葉が表示される場合がある。