P2P保険はInsurTechを盛り上げる起爆剤となるか?

InsurTechに関する情報を収集している際、たまに目に入る「P2P保険」の文字。私はどちらかというとIT用語(※)を思い出してしまう。

P2P保険は、日本にはまだ世に出たばかりの保険で、海外ではP2P保険といえばアメリカのLemonade、ドイツのFriendsuranceが有名である。しかし、2017年12月にソフトバンクがLemonadeに135億円出資したという情報がある。もしかしたら、ソフトバンクが保険事業に参入し、P2P保険を国内に誕生させるかもしれない。

■P2P保険とは?
P2P保険は、Peer-to- Peer保険の略称であり、友人や同じリスクに対して保険に興味のあるグループで保険料を拠出する。保険事故が発生し、保険金請求が発生した場合は、このグループで集めた保険料から保険金として支払われ、保険期間満了時に、残高から、保険金請求を行わなかったメンバーにキャッシュバックや次年度割引がされるという。

日本では、justInCaseが2018年3月29日にP2P保険である「スマホ保険」を一般公開をはじめた。

このサービスの特徴は「いつでも申し込みができる」「月々300円からという安価な保険料」「リスクや割引を友達とシェアできる」ということである。

仕組みもいたって簡単である。

・保険料の一定割合を友達プールに積み立て
・リスクも割引も友達とシェア
・保険料を高くしている原因の保険金詐欺などの不正請求を減らし、安くあるべき人に安い保
険を提供する
・つながった友達の数(最大9名)が多いほど、更新時保険料割引の最大値が増加する

なお、スマートフォンのアプリケーション(iPhoneのみ対応)のため、手軽に利用することができ、アプリケーションで一元管理することが可能である。

まだまだ、情報や事例の少ないP2P保険だが、これから大手保険会社やベンチャー企業から誕生していくだろう。 サービスとしても、これから確立していく分野だ。InsurTechの保険×ITにさらに「ヒトコミュニケーション」を足したサービスに注目していきたい。

※P2P(ピアー・ツー・ピアー):ネットワーク上で対等な関係にある端末間を相互に直接接続し、データを送受信する通信のこと。

執筆者 三村 恵