2018年5月10日、インシュアテック・スタートアップであるiBeed株式会社(以下、iBeed)はブロックチェーンのエンジニアリングをグローバルに展開するナレッジソリューションズグループ (以下、KSG)と連携して保険業務プラットフォーム実現に向けたブロックチェーン技術の商⽤化検証を実施することを発表した。
背景
iBeed は保険事業者向けにブロックチェーンベースの保険業務プラットフォーム「iChain Base」の商⽤化を計画していて、保険事業者向けプライベート・ブロックチェーンプラットフォームを構築するうえでブロックチェーンの秘匿性向上、可⽤性の確保、スマートコントラクト機能(※1)の信頼性確⽴などの技術検証が課題となっていた。
KSGはすでに⽇本、シリコンバレー、インドにおいてブロックチェーンのソリューション実績があり、KSGは⽇本には数少ないブロックチェーンアーキテクトおよびスペシャリストをグローバルに擁しており、ブロックチェーンエンジニアリングのプロフェッショナルサービスが⼤きな強みとなっている。
今回、iBeedはKSGのシリコンバレーメンバーとともにブロックチェーンベースの保険業務プラットフォーム商⽤化実現に向けた技術検証を実施し、課題解決することで、「iChain Base」の早期商⽤サービス展開を狙う。
検証内容
(1)Ethereum(イーサリアム※2) のプライベートネットをPoA(Proof of Authority※3)で動作検証
(2)冗⻑化構成(n ノードで m ノードがダウンしている場合)でのPoAの動作検証
(3)保険証券情報をブロックチェーン上で管理することを想定しての性能テスト(4)プロトタイプモデルでのロードテストとストレステストなどを予定している。
「iChain Base」について
「iChain Base」は保険事業者向けの保険業務プラットフォームである。保険証券情報をブロックチェーン上に保存することで安全性、信頼性が担保された環境で、保険証券や保険⾦⽀払いプロセスを管理する。
保険事業者の基幹システムとAPI(Application Programming Interface※4)により連携され、「iChain 保険ウォレット」により保険契約者に対して保険証券情報を提供する。
※1 契約のスムーズな検証、執行、実行、交渉を意図したコンピュータプロトコル(手順について定めたもの)。
※2 分散型アプリケーションやスマートコントラクトを構築するためのプラットフォーム。
※3 ブロックチェーンの信頼性を担保するための合意形成アルゴリズムの1つ。信頼された参加者だけがブロックを作成できるようにする⽅法。ブロックチェーンの重要な性質である透明性も維持される。
※4 広義の意味で、ソフトウェアコンポーネントが互いにやりとりするために使用するインタフェース。