2017年11月2日、株式会社セレス(以下、セレス)は、フィンテックベンチャーの株式会社BrainCat(以下、BrainCat)との間で資本提携したことを発表した。近年、日本では保険業界やフィンテック/インシュアテックベンチャー企業が協業する動向が見られるようになってきた。
■セレス・BrainCatの事業とは
セレスは、スマートフォン端末をメインデバイスとするインターネットメディアを企画・開発し運営することを主業としている。
インターネット世界での、ユーザーによる行動(サイト閲覧・アプリダウンロード・ショッピング・資料請求・アンケート)が「ポイント」に変わり、現実世界の価値である「お金」につなげるプラットフォームを提供している。モッピー・モバトク・お財布.comが代表的なポイントサイトである。
一方BrainCatは、オンライン上で相互扶助を可能とするプラットフォーム「Gojo(ゴジョ)」の開発・事業推進を行うベンチャー企業である。
■キーポイントになるプラットフォーム「Gojo」
Gojoは名前のとおり「互助」、つまり、インターネットを通じて資金による助け合いを誰もが参加することができる仕組みを提供している。ブロックチェーン技術を活用し、様々な互助組織を自発的に作れるプラットフォームを提供するサービスである。
Gojoを活用することで、既存の保険システムではカバーされにくい領域で、当事者同士がセーフティネットを作り、取引記録をブロックチェーン技術を使い記録することで、信頼性を担保できる「インシュアテック※」サービスを確立することが可能になる。
Gojoの使い方はシンプルで、発起人がつくりたい互助組織のアイディアを発信し、審査が通ると互助組織の「Gojo」が成立する。
具体的な流れは、次のとおりである。
・Gojoに参加するメンバーは、定期的にお金を拠出しプール金をつくる。
・課題が発生した場合、発起人が給付金申請を行う。
・申請内容をメンバーで審議・承認する。
・承認された場合、Gojoに貯めていたプール金から給付される。
このような金銭的な支援をGojoでは「ソーシャル基金」と呼んでいる。
Gojoに関しても、具体的な内容が公開されていない。
セレスはBrainCatへの出資を通じ、インシュアテックへの知見を深めるとともに、新たな事業の可能性を模索していく模様だ。