SOMPOホールディングス、AIベンチャーのエクサウィザーズと資本業務提携

2018年3月28日、SOMPOホールディングスと株式会社エクサウィザーズ(以下、エクサウィザーズ)は資本業務提携を締結したことを発表した。超⾼齢社会における介護や認知症に関わる社会的課題の解決に向けて共同で取り組むことが⽬的である。

■背景・⽬的
SOMPOホールディングスは2015年度に介護事業に本格的に参⼊した。⽇本最⼤規模となる約25,700居室のシニアリビング事業に加え、定期巡回・随時対応サービスなど訪問介護事業も全国で幅広く展開している。

エクサウィザーズは、認知症ケア技法「ユマニチュード®」の普及(※)、ハイパフォーマーの技能をAIが学習し、従業員全体の育成をサポートする「コーチングAI」の開発、医療・介護領域を中⼼とした産業に対するAIソリューションの提供を行ってきた。

そして、両社はエクサウィザーズが持つユマニチュードの知⾒やAI技術と、SOMPOホールディングスが展開する介護事業を通して得られるユーザー、スタッフの声などを融合することで、超⾼齢社会における介護や認知症に関わる社会課題の解決に向けて共同で取り組むことを⽬指し、資本業務提携に⾄った。

介護とAI。InsurTechの分野でいう、デジタルヘルスケア分野に大きく影響を与えることになるだろう。

※エクサウィザーズは、⽇本国内で唯⼀ユマニチュードの正規事業ライセンスを保有。ユマニチュードは、ケアをされる患者と、1人の人間として向き合うことから生まれる認知症ケアのこと。

■業務提携の概要
(1)認知症ケア技法「ユマニチュード」の導⼊に向けた取組みエクサウィザーズは、SOMPOホールディングスの介護事業を担うSOMPOケアグループとともに介護施設におけるユーザーの認知症⾏動・⼼理症状の軽減と介護スタッフの業務負担の軽減を⽬指し、SOMPOケアグループ施設に対するユマニチュードの導⼊に向けた取組みを開始する。

(2)「コーチングAI」をはじめとするユマニチュード教育関連サービスの開発
介護スタッフに加えて、介護を⽀える家族を視野に⼊れた教育サービスを開発する。エクサウィザーズが開発する教育サービス「コーチングAI」は、画像・⾳声・テキストデータなどを解析することで、熟練者のケア技能の特徴を抽出し、初⼼者の学習を⽀援するサービスである。

熟練者のケア技能を可視化することで、介護者全体の技能向上を図る。エクサウィザーズはこれまで開発を進めてきたケア領域での「コーチングAI」に対して、本提携をきっかけにSOMPOケアグループとの共同実証実験を⾏い、本サービスの事業化を加速させる。

(3)認知症の早期発⾒・予防に向けたサービスの開発
認知症になっても安⼼して暮らせる社会を実現するために、認知症の早期発⾒・予防のサービス開発に取り組む。

■今後について
両社は今回の資本業務提携を機に、認知症⾼齢者に対する介護サービスの品質向上に資する取組みを実施し、広く社会に提供することを通じて、超⾼齢社会における社会課題の解決を⽬指す。