インシュアテックを発展させるためには、ブロックチェーン技術が欠かせないと言われている
ブロックチェーンとは何か?
ブロックチェーンといえばBitcoinといった仮想通貨で利用されている技術のイメージが強い。今回はブロックチェーンがインシュアテックで必要になるのはなぜか、そもそもブロックチェーンはどのような技術なのか考えてみたい。
■ブロックチェーンとは?
インシュアテックのブロックチェーンは、保険契約や保険金の支払い時に利用されることを想定している。インシュアテックのスタートアップ会社や、生命保険会社がブロックチェーン技術を持ったIT企業と協同で実証実験を行なっている事例を目にすることが増えてきた。
ブロックチェーンとは、取引データを記録する技術である。取引記録データを「トランザクション」と呼び、複数のトランザクションをまとめたものを「ブロック」と呼ぶ。また、トランザクションは保険加入者・保険会社が各々保有しており、万が一、データがクラッシュして使用ができなくなってしまった場合が発生しても、データを相互共有することができる。保険加入者・保険会社はシステムでいうユーザーにあたり、ユーザー同士がシステムを管理し合う形式をとるため、対等者が通信し合うという意味から「P2P(Peer to Peer)方式」や「分散型取引台帳」などと呼ばれる。
■ブロックチェーンが期待される理由は?
ブロックチェーンに期待されることは何だろうか?それはセキュリティの向上である。
ブロックチェーン上にある取引記録であるトランザクションは、誰でも閲覧が可能である。つまり、透明性があり、なりすまし・データ改ざん・不正アクセス・データ漏えいといったサイバー攻撃を防いだり、データの信頼性を保つことができる。
また、「どのユーザーが」「いつ」「どのような取引をしたのか」をトランザクションに記録されてるため、ヒューマンエラーが発生した場合、トラブルの解析・対処がしやすくなることも期待できるだろう。
■発展途上中のブロックチェーン
これまで、保険契約や保険金の支払いで作成される契約書・申請書のチェックや手続きに、時間や人件費がかかっていた。しかし、ブロックチェーンを導入することで、システムで管理することが可能になるため、課題をクリアすることに大きく期待を寄せられている。
まだまだ完璧ではないブロックチェーン技術。今後、インシュアテック分野にどのような影響を与えていくだろうか。