2021年8月24日、ワルシャワ:
クラウドコンピューティングは、今後10年間で保険業界において一般的な技術となることがソラーズコンサルティングによる調査で明らかになりました。調査結果によると、保険市場はRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は人工知能(AI)や機械学習(ML)よりも重要性が高いと考えており、一方でテレマティクスやIoTの重要性は比較的低いと見ていることが分かりました。調査結果の全貌は、ソラーズコンサルティングのホワイトペーパーでご覧いただけます。
ソラーズコンサルティングが保険業界の幹部や専門家を対象に行った調査結果によると、2031年には、保険市場の上位10社のうち8社以上の保険会社がクラウドとRPAに大きく依存した状態になると予想されます。人工知能や機械学習も重要ではあるものの、RPAよりもやや重要度は下がります。オープンAPIはクラウドやRPAとほぼ同様に重要である一方、IoT、テレマティクス、ブロックチェーンは、保険業界の最重要課題とは見なされていません。
「イノベーションへの意欲は広く浸透しており、イノベーションは重要な機能に影響を与えます。今後、保険会社はより多くのパートナーシップを築くと考えます。また、ITを近代化するために、クラウドソリューションに大きく依存するようになるでしょう」と、ソラーズコンサルティングのマネージング・パートナー兼共同設立者であるミハウ・トロヒムチュク氏はコメントしています。
保険会社は投資に対して高い意欲を示しています。これは特にドイツで見られる傾向であり、逆にポーランドではイノベーション創出のため取り組みに対する投資意欲が著しく低いことが分かっています(表1参照)。
ソラーズコンサルティングの調査で集められた回答全体を見ると、自社はイノベーション創出のための取り組みに投資する意思がないと答えた回答者はおらず、わずかに投資すると答えた回答者はわずか2.6%でした。
「市場間でのイノベーションに対する姿勢の違いは、各国のデジタル化のレベルや常識を破る力に対する意識の違いに関連している可能性があります」とソラーズコンサルティングのマネージングパートナー兼共同設立者であるマルチン・プルタ氏は述べています。
レポーティング業務や契約管理の自動化
ソラーズコンサルティングは、2020年と2021年にかけて創立20周年を迎えました。その間、ソラーズコンサルティングは欧州、米国、日本などの保険業界の管理職や専門家を対象にアンケート調査を実施し、約80名が参加しました。アンケート調査では、未来の保険会社の発展に重要な役割を果たす自動化に関する内容に触れています。保険会社は、レポーティング業務、契約管理、バックオフィスでのプロセス、クレーム処理の分野で自動化の大きな可能性を見出しています。回答者の68%から81%が、これらの事務処理は将来的に高度に自動化されると考えています。保険業界全体では、営業活動はいまだ対面で行われるものと考えられていますが、保険会社の管理職や専門家の33%は、営業活動の70%以上が自動化されていくだろうと考えています。
「銀行や保険会社は、保険販売のデジタル化に向けて大きな努力をしています。しかし、それを成功させるためには、市場の変化に迅速に対応できる柔軟な保険プラットフォームを導入する必要があります」とトロヒムチュク氏はコメントしています。
「来店型代理店や乗合代理店は、技術的な観点からも保険業界を変えました。保険会社は、価格比較サイトに対応するソリューションを迅速に開発する必要に迫られています。保険業界では、スピードと価格がより重要になっており、保険会社にとってそれはすでに大きな課題となっています」とプルタ氏は述べます。
国の要件に支配された基幹システム
保険会社は、技術開発が遅れている基幹システムに注目しています。保険会社の管理職や専門家は、基幹システムがクラウドに移行していると確信しています。ソラーズコンサルティングの調査の回答でも、「基幹システムはクラウド上で稼働している」が最も多く、「基幹システムはオンプレミスで稼働している」が最も少ない結果となりました。
「保険業界の専門家は、クラウドがビジネスの俊敏性と業務効率を向上させることを知っています。この2つは、統合されたインテリジェントなエコシステムの時代にますます重要になっています。」とプルタ氏は述べています。
また、今回の調査では、国内で開発された保険の基幹システムが、国際的に開発された基幹システムよりも重要視されていることがわかりました。
「グローバル化を考えると、この分野での考え方は意外かもしれません。しかし、保険は依然として国ごとに異なるビジネスです。規制はその理由のひとつです」とトロヒムチュク氏は解説します。
インターネットが保険のビジネスモデルを変える
デジタル化のスピードはまだ限界に達しておらず、そのことは市場で見られる様々なサインによって明らかであると、ソラーズコンサルティングの調査レポートはまとめています。保険業界ではデータドリブンのビジネスモデルが多く語られていますが、データの価値は非常に限られた分野でしか利用されていません。5Gは利用可能なデータ量を増加させますが、保険会社にとってはそれをどのように利用するかが課題となります。飲食、観光、メディアなどの業界は、インターネットによって大きく変化しました。
「商品自体は大きく変わっていませんが、提供方法や販売方法が全く変わってきています。私は、保険業界でも同じことが起こると確信しています。それどころか、さらに進化していくでしょう」とトロヒムチュク氏はしめくくりました。
本レポートの全文はこちらからご覧いただけます。
Sollers Consultingについて
ソラーズコンサルティングは、ビジネスアドバイザリーとソフトウェア導入のグローバル企業です。2000年に設立された弊社は、保険会社、銀行、リース会社のビジネス変革や新技術への適応をサポートしています。過去20年間にソラーズは、アリアンツ、アクサ、LV=、BNPパリバ・カーディフ、バスラー、ゼネラリ、チューリッヒ、Santander Consumer Bank、INGなど、80の金融グループのデジタル分野の強化を支援してきました。
ソラーズのソリューションとして、保険業界のニーズに対応したデジタルプラットフォーム「RIFE」をはじめ、デジタルインタラクション、効率的な自動化プロセス、収益性の高い成長を実現する数多くのサービスや製品を用意しております。ソラーズは、DIAとの「Top 100 InsurTechs」とFintechGlobalの「InsurTech100」にそれぞれランクインしており、弊社の取り組みが評価されています。
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