保険×IoTで安心なドライブ【Metromile】

IoTによって、自動車の運転状況を高度に捕捉できるようになった。

そんな技術の活用によって、テレマティクス保険(自動車運転の安全性や走行距離に応じて、自動車保険料が変わる保険)が登場した。

米国のテレマティクス保険の中で、Uberとも提携しており、最も注目度の高いInsurTech企業であるMetromileを紹介する。

企業基本情報

企業名:Metromile

中心拠点:アメリカ

設立年:2011年

代表者名:David Friedberg(Founder, CEO)

資金調達総額:$205,500,000(2017年10月現在)

主な資金調達元:China Pacific Insurance

カテゴリ:Auto Insurance(自動車保険)

企業ホームページURL:http://www.metromile.com/

 

沿革

創業者の経歴

David Friedberg(Founder, CEO)は金融領域出身のシリアルアントレプレナーである。
大学を卒業後、Broadview InternationalにてIB部門に入社。その後、Concert Capital Partners投資家を経てGoogleに入社し、同社と農家向けの気候予測サービスを提供するThe Climate Corporation、eatsa、Northern Quinoa Production Corporationを創業した。
現在は同社とThe Climate Corporation、Northern Quinoa Production Corporationの代表を兼任している。

 

同社の沿革

カリフォルニア大学バークレー校で天体物理学を学んだDavid Friedbergは、地球温暖化対策の一つとして従量制自動車保険を発案した。
走行距離によって保険料が変わる仕組みを作れば、保険料を安くするために多くのドライバーが運転頻度を減らすと予想したのだ。

 

サービスの内容

提供サービスの概要

同社は、携帯回線とGPSを搭載したデバイス「Metromile Pulse」を用いて、従量制を実現した自動車保険「Metromile」を提供している。

 

サービスの特色

①保険料の料金は、定額の月額基本料金に走った距離に応じた従量制保険料を加えるという二段階で設定される。

②補償内容は従来の保険会社と同様。

③事故の報告は24時間受付している。

④「Metromile Pulse」は無料で配布され、設置後、ドライバーは自分の走行距離をWebサイト上、もしくは専用アプリで確認できる。

⑤デバイスとアプリを同期すると、走行距離に加え、位置情報や走行時間、一部の地域では道路清掃のアラートを受け取ることもできる。

⑥支払いプロセスを迅速化できる自動請求システムを導入している。

 

特色の⑥に関しては業界初の支払いシステムであり、データで裏が取れていれば、支払いを数秒以内に自動承認する。請求手続きの手間の大幅なカットを実現した。


<Hot Topic>
2015年よりUberのドライバー向けに従量制自動車保険の提供も開始している。
同社CEOのDan PrestonとUberの保険部門の責任者は奇遇にも大学時代のクラスメートであり、以前より親交があったようだ。
また、2016年に伝統的な保険会社であるMosaicを買収し、保険引受から保険金請求までの一連の業務を自社で請け負う体制を整えた。

 

他社類似InsurTech(インシュアテック)サービス

Zubie

専用デバイスを用いることで、スマートフォンと連携して自動車に関連する様々な情報を収集することができる。
運転行動・履歴、自動車の故障・メンテナンスに関する情報を取得し、保険や修理、ロードサービスに活用する。また、自動車に何か異常が起きた場合はリアルタイムでアラートを受信できる。

 

TrueMotion

ドライバーの運転技術や運転履歴をダイレクトに測定・スコア化・フィードバックしてくれるスマートフォンアプリを提供している。
ユーザーは同アプリを無料で利用することができる。
アプリの機能としては以下の3つが挙げられる。
1、走行位置・走行履歴の確認
2、運転の危険度を自動測定
3、よそ見運転時間の測定