人工知能は2つ存在する

AIや人工知能は、今まではIT業界の中や、はたまたSF映画などで聞くようなキーワードだったのではないだろうか。それが、現在、世界中で研究開発が進むようになり、次世代の産業革命になると言われている。では、次世代産業で活躍するであろうAIや人工知能とは具体的にどういうものか説明したい。

 

■AI(Artificial Intelligence)とは?

AIと人工知能は同義である。AIは簡単にいえば、人間の脳を機械で表現したものである。そのため、人間が想定している作業・手順をAIにインプットし、人間の代わりに自動で作業などを代行させる。つまり、人間のように振る舞う機械を想像すれば、わかりやすい。

 

この考え方は間違いではないと思うが、ただ単に自動化をはかったことになる。しかし、AIには2種類の考え方があり、先に説明した「人間の知識を置き換えたAI」と「人間の知識を利用して、自ら学習するAI」が存在する。後者は「コグニティブ・コンピューティング・システム」と呼び、学習型AIである。

 

■学習型AI「コグニティブ・コンピューティング・システム」

コグニティブ・コンピューティング・システムは、IBMが提唱している。AIを「Artificial Intelligence(人工知能)」ではなく、「Augmented Intelligence (拡張知能)」として人間の知識を拡張し増強するものと定義しており、IBMでいうAIはコグニティブ・コンピューティング・システムを指す。

 

IBMではWatson(ワトソン)というプラットフォームを開発している。Watsonはメールなどのテキストといった構造化データだけでなく、人間が日常使用する言葉を理解し(自然言語処理)、画像・音声などを含めた非構造化データも理解し、学習し、人間に支援することを可能とするAIである。Watsonで動作するロボットの代表例が、ソフトバンクが開発したPepper(ペッパー)である。

 

■InsurTech業界に影響をもたらすAI

損害保険会社や生命保険会社では、AIで業務効率化しようとする動きが見られるようになってきた。例えば、契約や保険金支払いの際に、間違いのないよう何度も人間によるチェックが入るため、時間・人件費がかかりコストがかさんでしまうが、AIを導入することで間違いを見過ごすこともなくなり、処理も早くなる。

 

今後、AIはますます活躍する。業務効率化以外にも、保険紹介に関する営業支援やAIを利用した新しいサービスが次々に登場するだろう。