世界有数のブロックチェーン企業であるビットフューリーと保険会社ビーズリー、世界最大の国際保険取引所ロイズの保険引受会社リスク・コポラティブは、ブロックチェーンを基盤としたクライシス保険とリスク管理システムの構築において提携したことを2018年5月1日付で発表した。
提携3社は、ブロックチェーンの事業サービスで台頭してきているエマーコインの開発チームとともに協働しているという。エマーコインとは、仮想通貨であり、様々な分散型認証サービスを提供する分散型ブロックチェーンプラットホームである。エマーコインは高い信頼性、堅牢性に加えて、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)、マージドマイニングという3つのマイニング(採掘)方式を組み合わせたハイブリッドなマイニングを特徴としている。
同プロジェクトでは、ブロックチェーン技術を利用することで、取引データの一元管理とリアルタイムでの閲覧を可能とし、危機的状況下の保険会社および保険引受会社の対応速度とサポートの向上することを目標としている。200種以上の脅威に関するデータに反応し、それらのデータを取得する最新の脅威インテリジェンス(※1)を採用することで、スマートコントラクト(※2)やイベントログ、通知サービスなどを開発する予定だという。
ビットフューリーは、ブロックチェーン技術サービス提供企業として民間で最大の規模を誇る。情報サイトのブロックチェーン・ドットコムのデータによると、同社はビットコインのマイニング企業として、7日時点で全体の2.1%のハッシュレート(マイニングを行う計算能力)のシェアを有する。
2017年9月には東京オフィスを設立し、同年11月には、SOMPOホールディングスとの戦略的パートナーシップ契約を締結している。ブロックチェーン技術を活用し、保険業界における透明性やセキュリティの向上、業務効率化など、ブロックチェーンの可能性を模索し続けている。
※1 サイバーセキュリティに関する情報の集合体。
※2 契約のスムーズな検証、執行、実行、交渉を意図したコンピュータプロトコル(手順について定めたもの)。