進化していく日本のインシュアテック市場

インシュアテック、フィンテック、ヘルステックといった、◯◯テックの言葉を、ここ数年で見かけるようになってきた。
◯◯テックと、テクノロジーがかけられている言葉は、すべてITが関与している造語である。

インシュアテック→Insurance(保険)+Technology(技術)
フィンテック→Financial(金融)+Technology(技術)
ヘルステック→Healthcare(健康管理)+Technology(技術)

今回はインシュアテックに的を絞ろう。

■インシュアテックに関わる技術
インシュアテックのキーポイントになる技術として、アプリケーション、人工知能(AI)・ウェアラブル・ビッグデータなどが存在する。

保険を選ぶ手段は、今や対人だけではなく、パソコン・モバイル端末からインターネットにある保険サイトにアクセスして契約できる時代になった。複雑かつ多数用意されている保険商品を、AIにより、的確に顧客ニーズに合わせた保険を提案させたり、データが豊富に存在する顧客情報から分析・抽出することにより、新たな商品を開発することもできるようになった。

■ウェアラブルを利用した新たな保険分野
保険会社は、従来の保険のまま変化がなければ飽和状態だと悟っていると思われる。少子高齢化になった現在、ターゲットは若年層にも向けなければならない。しかし、若さゆえに健康で死亡などのリスクが少ない世代をも巻き取るには、新しい分野であるヘルスケアの観点が鍵を握るだろう。

ヘルスケアに関して登場する技術は、ウェアラブル端末である。
今では、当たり前のように所持しているスマートフォンに万歩計機能がついており、心拍数を測ったり、睡眠状態を管理する専用端末も登場している。端末の形も、昔からあるものに置き換わっており、「リストバンド型」「メガネ型」「クリップ型」といったタイプが存在している。今後も見たことのない専用端末が登場することだろう。

■インシュアテックへの期待
市場調査を行なっている株式会社矢野経済研究所が2017年に発表した調査結果によれば、日本のインシュアテック市場は2020年度には1,100億円に拡大すると予測されている。
従来の生命保険会社では提供できなかった新たな保険商品・サービスの開発や業務の効率化・高度化などにおいて、インシュアテックは、IT技術を活用してさらなる生命保険関連サービスを生み出していくのだろう。
今後、新たな分野へ日本の技術がどのように進化していくのか、インシュアテックに着目していきたい。