読者のみなさんは自動車を所持しているだろうか。
テレビや友人との会話の中で、「最近、日本では車離れが起きている」と耳にすることが多い。しかしながら、日本の自動車保有台数を調べてみると変わらず、年々、右肩上がりであることがわかった。(※1)乗用車・貨物車・乗合車・特殊用途車・二輪車を含めると2017年3月時点で8,100万台にものぼる。日本の国民人口が約1.3億人(※2)、単純計算すれば2人に1人は自動車を所持しているくらい自動車大国なのではないだろうか。
さて、日本では自動車は生活の一部であることがわかった。では、自動車を保有するオーナーたちは、自動車に関してどのように考えているのか?2017年11月20日、ソニー損害保険株式会社(以下、ソニー損保)が全国カーライフ実態調査を行っている。(※3)
ここで着目したいのが、保険×ITのインシュアテックに関わる内容だ。
①保険料の自動ブレーキ割引・②PHYD型保険が該当するが、いずれも認知度は5割を下回る。
①保険料の自動ブレーキ割引(先進安全自動車割引[ASV割引])だが、これは自動ブレーキ搭載車で普通車であれば型式発売後3年以内、つまり、現在ならば2015年以降に発売された自動車が対象となる。(軽自動車は発売時期に関わらず、自動ブレーキ搭載であれば対象。)この保険は最大9%の割引が適用される。
2018年1月より、大手保険会社は自動ブレーキ割引を開始したばかり。また、年々、自動車の使用年数が12年以上(※4)、長期に渡って愛用するオーナーが増えているため、自動ブレーキ搭載車に乗り換えるタイミングは今後、増えていくと見られる。
②PHYD型保険(Pay How You Drive)は、自動車に搭載されているセンサーから、速度・加減速・ハンドル操作・ブレーキなど、運転行動データを解析することで保険料を決定する仕組みである。テレマティクス保険とも呼ばれる。
今まで、運転技術で保険料を割り引く仕組みがなかったが、保険会社がインシュアテックに注力してから、自動車保険のあり方に変化を感じることができる。
まだまだ、認知度が低いが、自動車オーナーから見れば、興味を持ち始めているには違いない。
筆者は自動車が好きだが、残念ながらブレーキ割引・テレマティクス保険適用外の車種を愛用しているが、今後、インシュアテックに関する保険に着目していきたい。次々に誕生することは間違いないだろう。
※1:一般財団法人 自動車検査登録情報協会調査 自動車保有台数の推移(2017年3月)
https://www.airia.or.jp/publish/file/r5c6pv000000g7vb-att/r5c6pv000000g7vq.pdf
※2:総務省調査(2018年1月)
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/201801.pdf
※3:ソニー損害保険 2017年全国カーライフ実態調査
http://from.sonysonpo.co.jp/topics/pr/2017/11/20171120_1.html
※4:一般財団法人 自動車検査登録情報協会調査 平均使用年数(2017年3月)
https://www.airia.or.jp/publish/file/r5c6pv000000g7wb-att/r5c6pv000000g7wq.pdf