人材不足解消の決め手になるのはRPA?

どの業界でも課題として掲げられている「人手不足」。私は10年ほどシステムエンジニアとして従事していたが、IT業界も実に深刻な状態である。

 

一人ひとりの役割が多くなり、仕事量が増え、就業時間内に仕事が終わらない状態になってしまう。このような経験をされた方は、少なからずいらっしゃるのではないだろうか?

 

そのような状況下で、人手不足の解決のキーポイントになる技術がRPARobotic Process Automation)である。

 

RPAとは、簡単に説明するのであれば、ロボットに業務を自動化させること。だが、通常は一定のルールをユーザーがコンピュータに設定し、コンピュータにデータを繰り返し入力させたり、転記したり、ソフトウェアで自動化する技術である。実際に実例を用いて紹介したいと思う。

 

全社業務をRPA化した第一生命

近年は、生命保険会社や損害保険会社でRPAが利用される事例が増えてきた。

201797日、第一生命保険株式会社(以下、第一生命)が生産性向上・働き方改革を推進すべく、全社業務にRPAを導入している。201610月より、デロイトトーマツコンサルティング合同会社、アクセンチュア株式会社と共同でRPAの実証試験とシステムへの適用化、業務の分析などを担当している。また、個人保険事務の約20種類の業務で順次トライアル稼動を進めており、201710月からは保険関係事務に加え、マーケティング、総務・会計、資産運用にかかわる事務など、全社の様々な業務にRPA活用を広げ、生産性向上、働き方改革を推進しているという。

 

■RPAの効果

RPAを導入することで、人間しかできない仕事を社員が集中して取りかかることができ、RPAは複数のソフトウェアが処理させることができるため、並列作業ができる。さらに、24時間365日稼働させ、大量なデータも間違えることなく処理できるため、ヒューマンエラーも減らすことができ、結果的に作業が効率化され、新しい仕事に取りかかることで生産性の向上に期待ができる。ただし、日々、人間によるチェック・コミュニケーションは欠かせない。

 

また、ここでAI(人工知能)を連携させることで、自動化がさらに進むだろう。AI技術の研究も日々進化しており、人間のように学習能力を持つAIが誕生している。

 

RPAAIを連携させ、今後、新しいサービスが誕生することだろう。まだまだ、開発が始まったばかりの技術である。