トヨタ自動車、Grabへ10億ドル(約1,100億円)を出資

2018613日、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は東南アジアにおいてオンデマンド交通システムとモバイルペイメントプラットフォームを提供する業界大手の Grab Holdings Inc.(以下、Grab)への出資について合意したと発表した。出資額は10億ドル(約1,100億円)となり、Grabの最新の資金調達ラウンドにおいてトヨタは主要出資企業となる。

 

本合意の一環として、トヨタとGrabはコネクティッドカー分野における協業を拡大し、東南アジア全域において新たなモビリティソリューションの導入を主導していく。

本取引の完了にはいくつかの条件の充足を前提としている。

 

出資にいたる背景

今回のトヨタにより出資は、モバイル配車サービスセクターにおいて自動車メーカーによる過去最大額の出資となり、東南アジアにおけるワンストップモビリティプラットフォームになるというGrabのビジョンの実現に大きく貢献することになる。Grabはパートナー企業と協業し、東南アジアの主要都市において渋滞を解消し、すべての人々が利用できる効率的な輸送ネットワークの構築、およびドライバーパートナーへのより大きな収益機会の提供に尽力していく。

 

本出資は、東南アジアにおける主要O2OプラットフォームであるGrabGrabFoodGrabPayといったO2Oサービスの領域拡大に寄与する。Grabは東南アジア8ヵ国217都市に事業展開しており、Grabのモバイルアプリを通じ、個人間のライドシェアおよびタクシー配車サービスといった安全で格安なオンデマンド輸送サービス、フードデリバリー、宅配サービス、モバイルペイメント、および金融サービスを提供していく。

 

トヨタとGrabのミッションとは?

Grabはトヨタと協力し、トヨタが構築したコネクティッドカーの情報インフラである「モビリティサービスプラットフォーム(以下、MSPF)」に収集された走行データを活用する。さらに、走行データ連動型自動車保険に加え、Grabドライバー向け金融サービスや、メンテナンスサービスなど、各種コネクティッドサービスを東南アジア全域のGrabプラットフォーム上のGrabドライバーのエクスペリエンス向上へ向け、拡大していく。またGrabとトヨタは、Grabのドライバーの保険料の縮小化に繋がるテレマティクス型保険などのコネクティッドカーサービスを展開していく。

 

■Grab概要

Grabは東南アジアで最も使用されているO2Oモバイルプラットフォームのひとつであり、お客様の日々の生活に直結するサービスを提供している。現在、Grabのモバイルアプリは1億を越えるモバイルデバイスにダウンロードされており、ユーザーは660万のドライバーやエージェントにアクセスすることが可能である。また、Grab600万回の配車を日々行う、東南アジア最大の陸上交通輸送サービスであるほか、多岐にわたるオンデマンド輸送サービスを提供、加えてフードデリバリーや宅配サービスも提供している。Grabのフードデリバリーサービス、GrabFoodはマレーシア、シンガポール、ベトナム、インドネシア、フィリピン、タイで事業展開する唯一のフードデリバリー企業である。

 

また、Grab Financialは東南アジア全域の数百万のGrabユーザーに対し、キャッシュレスのサービスへのアクセスを拡充しているほか、十分なサービスを受けていない、そして銀行口座をもっていない人々と金融サービスをつなぐ架け橋となっている。