アリババ、テンセント、中国平安保険の申し子【Zhong An】

GoogleやAmazonのサービスの台頭を防ぎ、自国での優れたITサービスを成長させている中国。

Zhong Anはそんな中国を代表するIT、Alibaba 、Tencentの二大巨頭と、国内第二位の平安保険の協同出資によって誕生したInsurTech(インシュアテック)企業である。

ECサイト対象の損害保険をメインに若者市場を開拓している。

企業基本情報

企業名:Zhong An

中心拠点:中国

設立年:2013年

代表者名:Kung Jin(CEO)、Jack Ma / Pony Ma / Ma Mingzhe(Founder)

資金調達総額:CN¥5,800,000,000 (≒$880,375,161、2017年10月現在)

主な資金調達元:CDH Investments / Morgan Stanley / CICC

カテゴリ:Life/Home Insurance(生命/家族保険)

企業ホームページURL:http://www.zhongan.com/

 

沿革

CEO・ 創業者の経歴

同社はAlibaba Group、Tencent、中国平安保険の合弁会社である。創業の意思決定をしたのは、3社のCEOである。


Jack Ma(Alibabaの創業者・Executive Chairman)
Pony Ma(Tencentの創業者・CEO)
Ma Mingzhe(中国平安保険のCEO)

 

現在のCEOは陳振(Kung Jin、以下Kung Jin)である。

Kung Jin(CEO)は最高責任者兼投資意志決定委員会会長である。また、20年近くに渡り財務・経営管理を経験してきた関係で、香港中華大学の客員教授としても働いている。中国商工銀行の理事会副会長、中国商船證券副会長、中華人民共和国証券取引所の副社長、CITIC Bank Credit Suisse Centreの社長を経て、現職に至る。

 

同社の沿革

同社は、越境EC最大手のAlibaba Group、ゲーム売上高世界一かつSNSに強みを持つTencent、中国内の保険業界で第2位の中国平安保険の合弁会社として設立された。3社に加えて、大手旅行サイト(携程)やITベンチャー、既存の事業会社、異業種が参画するという、オープンイノベーションによる運営形態をとっている。それぞれの強みを活用し、小規模企業や個人のネット顧客情報、オンライン決済機能、保険経営のノウハウを持ち寄り、融合させることで、中国国内ではいまやInsurTechを牽引する存在となった。同社は、保険監督管理委員会から中国で初めてオンライン保険の認可を獲得した。

 

サービスの内容

提供サービスの概要

社会経済全体の各人に適する保険商品のオンライン取引サービスである。

 

サービスの特色

①オンラインで完結する保険取引を行うことができる(できないものもある)。

②既存の保険会社では設計できないような低額な保険料の商品を買うことができる。

 

また、同社はサービスの質を担保する強みを多く持っている。

 

同社の強み

①Alibaba Group、Tencent、中国平安保険を中心に、異業種が参加するオープンイノベーションによって運営することで、最先端の技術的水準を維持し続けている。

②オンライン取引のため、拠点の開設・維持、保険の各種手続きにかかるコストを抑え、その分を保険料の引き下げや商品開発に充てることができる。

③Alibaba Groupのもつノウハウを利用して、ネット通販の保険を設計することができる。


2016年末に同社は、AI、Blockchain、Cloud、Data-Drivenを主眼においた「ABCD計画」を発表した。
狙いは、強固な顧客基盤に、AIやブロックチェーンなどの先進的なソリューションを導入することでビジネスを加速させることだ。
現在、具体的なユースケースは公開されていないが、保険プラットフォームの基盤にはイーサリアムを採用する予定である。