高度なデータ分析を実施するには、データの量はもちろんだが、データの質も重要である。
データのフォーマットが構造化されていなければ、データを統合し、分析することができないからだ。
保険業界において、そんなデータ統合・分析の機能を提供するQuanTemplateを紹介する。
業界のデータ統合プラットフォームというInsurTech(インシュアテック)サービスは、AmazonやGoogleのようなゆるぎない地位を築くのだろうか?
企業基本情報
企業名:QuanTemplate
中心拠点:イギリス
設立年:2013年
代表者名:Adrian Rands(Co-Founder)
資金調達総額:$10,257,451(2017年10月現在)
主な資金調達元:Route 66 Ventures / Anthemis Group
カテゴリ:Infrastracture/Backend(システムインフラ/バックエンド)
企業ホームページURL:https://www.quantemplate.com/
沿革
共同創業者の経歴
Adrian Rands(Founder)はHowden Insurance Brokersにて保険商品のブローカーを約6年経験後、友人のMarek Nelken(CIO)と共に同社を起業した。新興市場に特化した再保険条約デスクを設置し、確率的ロス予測モデルを開発した。現在では同社のディレクターをしながらBullingdon Capital LLPのManaging Partnerを兼任している。
同社の沿革
経験豊富な保険会社の重役と世界クラスのコンピューターサイエンティストによって、同社は創業された。Adrianは資本市場、株式市場、保険市場におけるそもそものデータ標準の違いに着目し、今後のテクノロジーの課題をデータ統合にあると見出し、同社を創業した。
2010年にMarekとの株式取引戦略を策定し、同社との提携関係を確立している。
また、同社はEuropean FinTech Top50 companyとGlobal InsurTech Top21に選ばれている。
サービスの内容
提供サービスの概要
保険会社/再保険会社向けの包括的なデータ統合と分析のためのプラットフォームを提供している。
以下のようなインサイトを導出することができる。
・ボルドロ(共同保険資料)マネジメント
・最適な流通チャネルの策定
・引受業績を向上する指標の策定
・適切な報告レポートのフォーマット
サービスの特色
サービスの特色は大きく3つ存在する。
①さまざまなフォーマットでまとまっているデータを一つの規格に統合できる。
②基本的にコーディングなしで利用できる。
③生データ→データ統合→機械学習→分析→インサイト、までの行程を一貫して行える。
他社類似InsurTech(インシュアテック)サービス
Analyze Re
保険会社/再保険会社向けにリスクマネジメントと価格設定ソリューションを提供している。
リアルタイムの分析によってデータ分析や資本収益の向上をサポートしている。
Earnix
統合型価格決定・顧客分析ソフトウエアを提供している。
顧客のリスクやニーズ、事業成績が金融サービス企業に与える影響を予測し、変化する市場動向に合わせた商品構成を提案するサービスである。例えば、銀行や保険会社においては、同社のサービスを活用して預金、ローン、保険商品の価格・商品構成を改善している。