中国インシュアテック企業の「Huize」は、中国保険領域におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の積極的な推進を通じ、伝統的な保険仲介モデルを大きく変革した中国のインシュアテックの先駆的な企業の一つです。 本記事では「Huize」について詳しくご紹介します。
会社概要・事業内容
会社名 | Huize Holding Limited |
創業年月 | 2014年1月 |
創業者 | Cunjun Ma氏 |
本社 | 中国 深セン |
事業内容 | オンラインでの保険商品仲介 など |
オンラインの保険商品およびサービスのプラットフォーム管理サービスを提供している中国インシュアテック企業の「Huize(Huize Holding Limited)」 は、主に中国国内市場で事業展開を行なっています。
提携する保険会社の保険商品をプラットフォーム上で販売することで、多数の保険顧客へサービスを提供しています。多様なオンラインチャネルを活かしたプラットフォームにより、デジタル化された保険購入体験とそのサービスが特徴的です。
財務状況について
今年度の第二四半期の好調決算から第三四半期決算で前年比割れが起きています。
GWP(総保険料収入)とFYP(年換算保険料)が落ち込んだことで、営業収益も下落していることが理由と考えられます。 さらに、毎年の自社株買いプログラムのリリースが行われたことで財務懸念が広まり、株価の下落を一層進める形となりました。
経費削減については、従業員の給与と賞与により販管費を抑えている点も、市場的に冷ややかな可能性があると考えられます。
マーケティングについて
株主IRやプレスリリースによると、中国市場でHuizeは第4位に位置しています。 2024年に入り、年金保険の提携が数社決まっていることからも、今まで若い方(平均33.9%)をターゲットとしていた定期保険や医療保険だけでは利益率が悪いという可能性があります。
また、定期保険のリピーターは30%程度とされていますが、若年層をターゲットとしてきたために解約も多く、長期保険へシフトしたいという思惑も考えられます。 背景には、囲い込んだ顧客へのクロスセルや、解約後も乗り換えを狙った顧客への退職年金保険の提供やカスタマイズされた医療保険の提携による販売リリースが2024年以降増えているという状況も見られました。
現在は販売網を広げるため、オンラインとオフライン両輪での展開が進められていますが、これまでオンラインを中心としてきた事から中年〜高齢者層の取り込みがうまく機能していないという課題を抱えている可能性があるのではないかと予測しています。
おわりに
「Huize」は中国のインシュアテック業界における地位を確立し、顕著な成長とイノベーションを示しました。
今後「Huize」は保険業界におけるデジタル化の波をさらに推進し、新たな技術とサービスの開発に注力していくことが予測されます。 市場ニーズの変化に応じた柔軟なビジネスモデルの構築と、年代やデジタルリテラシーに依らない顧客中心のサービス提供を通じて、さらなる成長が期待されている中国市場のInsurTechカンパニーの一つとして今後も事業を拡大していくでしょう。
参考資料・出典
▼IR(出典:HUIZE HOLDING LIMITED CORPORATE PRESENTATION November 2023より)
https://ir.huize.com/static-files/19e8cfd0-eee9-47f2-ac10-26bf7920cecf
▼プレスリリースサイト(出典:公式ホームページプレスリリースより)
https://ir.huize.com/news-releases?a9d908dd_year[value]=2023&op=フ��[…]7ieYpuHyuO5SE7I-AkzLy1fxfa4pzoBysYYjg&form_id=widget_form_base
▼財務(出典:2023 年第 3 四半期の未監査財務結果を報告より)
https://ir.huize.com/news-releases/news-release-details/huize-reports-third-quarter-2023-unaudited-financial-results
文責 hokan 山口・毎床 2024.2.21