【Softbankが保険業に進出する?】SoftbankによるSwissReの買収計画にはどのような意図があるのか

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フィナンシャル・タイムズによると

2018年2月18日、Softbankは再保険会社の少数株主持分の買収について交渉するためにSwiss Reの取締役会に加入しようとしています。

Swiss Reは交渉の進捗について「非常に初期段階」にあると述べています。

Moody’sによるとSoftbankはSwiss Reの株式の20〜30%を獲得することを検討中のようです。

 

フィナンシャル・タイムズの元記事

https://www.ft.com/content/348cfd72-149e-11e8-9376-4a6390addb44

 

Insight

Softbankの今回のSwissRe買収計画の狙いは、世界において保険業界へ進出しワンストップでの保険業フローを構築することだと推察します。

世界において:IoTと再保険を直接つなぐ保険業のフローの中抜きモデルを作り、世界の保険を一挙に握ろうとしている?

世界においてはSoftbankが保険業を行うことによって、これまでの保険業において欠かせなかった保険会社と保険代理店を経由するフローを省略するモデルを作ろうとしているように思えます。

2016年に買収した会社である世界最大手の半導体メーカーであるARMは、スマートフォンの半導体シェアの85%を占めており、Swiss Reも世界で最も大きな再保険グループ会社のひとつであります。

この2つをおさえることで、世界の保険業のフローにおける入口のIoTと出口の再保険の要素をほとんどにぎりしめることができるため、あとはSoftbankが保険商品を作り出せば世界の保険シェアを一挙に手に入れることも可能であると考えられます。

日本において:IoTから再保険までの保険業のフローにおいて必要な各要素を獲得しに動いている?

一方で、日本においてはこれまでの買収した会社であるARMや提携を結んだ企業を鑑みると、保険業のフローにおいて必要な各要素を獲得しに動いているようにも見えます。

保険業をやろうとする視点から、これまでのSoftbankのプレスリリースを元に時系列の出来事を分析すると次のようになっていると考えられます。

  • 世界のスマートフォンに入っている半導体の85%のシェア(14億台分)を占めているARMを買収。IoTにおける最上流に立つ。(2016年9月5日)

【モバイル端末シェアの上流を牛耳り、テレマティクス保険への準備ができた?】

  • 高度な手書き文字認識(OCR)技術「Tegaki」をもつCogent LabsとのRPA,AIを用いたOCRサービスにおける業務提携を結ぶ。(2018年1月29日)

【紙面の保険証券の読み取りをする準備ができた?】

  • 保険業も行う予定のLINE Financial株式会社(2018年1月10日設立)を持つLINEと戦略的提携に向け基本合意を結ぶ。(2018年1月31日)

【モバイルアプリLINEを通して行う保険契約、請求の仕組みを作る準備ができた?】

  • 世界の大手再保険会社の一つであるSwissReの株式の20~30%を買収する予定。(2018年2月18日)

【保険サイクルの再保険までの道のりを確保、かつ同社の知見、知識を獲得できる?】

Softbankには今、グローバルにテクノロジー分野へ出資することを目的としたSoftbankビジョンファンドがありますが、今回の買収の資金はどこから出すのでしょうか?

また、ワンストップでの保険業フローを構築することを狙いとして今回の買収を計画しているとすれば、今度は保険商品を作れる機能が必要になると考えられます。

今回のSwissReの買収計画が実現した後は、何らかの保険会社と提携または買収するのではないでしょうか?