InsurTech Startup Meetup vol.8『LINEほけんが目指す顧客体験』レポート!!

《当日の第1部、LINEほけんの堀江様にご登壇いただいた内容をお送りします》


登壇者 LINEほけん 堀江氏

LINEほけん堀江氏のご紹介

皆さんこんばんは。LINE Financialの堀江です。簡単に自分の自己紹介をさせていただくと 、私は最初UCカードというクレジットカード会社に入って、ちょうどその頃、カード番号の決済がSSLでいいのかという時代に(カード番号決済のSSL暗号化を)担当する部門にたまたま配属になって、ネット金融とご縁を持ちました。

その後ヤフーに転職しまして、2年くらいしかいなかったんですけれども、上場で株を持っていた社員は大きな資産を得てるんですよね。私は会社員でも億万長者になるチャンスがあるんだと思って感動しました。新しく会社を興す話にぜひ参加したいと思ってるときにちょうどライフネット生命さんが準備会社を作っているところで、一攫千金を夢見て転職しました。 上場まで超えたんですけど、残念ながら私は億万長者にはなれなくて、一攫千金になる夢は一度諦めて、社会的に大きなインパクトを起こしたいと気持ちを切り替えて、LINEに入った次第です。そして今はLINEの保険プロジェクトで頑張っています。というのが、簡単な僕の経歴でございます。

LINEの取り組み

LINEほけん

では本題のLINEの取り組みについてご案内させていただきます。どうしてLINEがほけんをやるのか?と考えられる方もいるかと思います。

LINEはミッションとして「CLOSING THE DISTANCE」と掲げておりまして、メッセージアプリのLINEはちょうど2011年3月の震災直後くらいにサービスローンチしています。あの震災をどう過ごされたかは人それぞれ場所も違ったかもしれないんですけども、私は東京のオフィスにいました。すごい地震が起きて、死ぬのかもなぁと思いました。そのとき皆さん家族に連絡をとりませんでしたか?携帯がつながらなかったですよね。家族と連絡とれないっていう事態になって。でもインターネットはつながってましたよね。固定電話も割と生きていて、妻は長蛇の公衆電話ボックスに並んで、私の会社の固定電話にかけてきて連絡がとれて、新宿で落ち合って練馬まで2時間3時間歩いて帰ったと言うような経験でした。

あの時LINEが間に合ったらどうなっていたかと考えてみると、みんなすぐに連絡がとれて、安否の確認もすぐできて、だいぶ安心ですというような。なのでLINEというのは、生活のインフラを支えるという使命を持ってやっております。 そこでLINEほけんですが、LINEがコミュニケーションを変えたように、金融の世界も変えていきたいと、LINEのプラットフォームを活用して、保険を皆さんの日常生活に溶け込ませて広げられないかということをテーマで今は取り組んでおります。そしてその第一段が、2018年の10月16日にサービスをリリースしたんですけども、LINEを使っている人を構成員とした団体保険なんです。保険会社視点での商品数で言うと6種類の商品構成されていて、その6種類の補償内容を変えて、工夫したペットネームを付けて、59種類にして売っています。そして先日、3月11日に「贈るほけん」と言う「プレゼントすることを前提とした」保険商品をリリースしました。これまでの商品とも通じているところとしては、インターネットショッピングでショッピングをする体験と、保険を買う体験を同じにしたいということです。

LINEほけんのサイトを見ていただけた方は、イラストが多様に使われていてキャッチーだと感じられたかと思いますが、ショッピングって楽しいじゃないですか。「この補償って何なの。」みたいな。それが楽しいとか、ネーミングでも飲み会保険とかって、「飲み会の保険って何?」みたいな感じで、ショッピングしていただくような形で買ってほしいです。

ショッピングって、プレゼントするためのものを買う事もありますよね。あの人にあげたいとか。買うモノそのものの価値もありますが、うしろに気持ちが込められている価値もあって、保険も気持ちを込めてあげる商品にぴったりじゃないですか。私たちはそういった保険体験を実現しようと考えております。 「贈るほけん」に関しては今、LINEは損害保険ジャパン日本興亜さんと業務提携していまして、Mysuranceという損害保険ジャパン日本興亜損害保険ジャパン日本興亜さんが新たに設立した少額短期保険の会社が引受保険会社になっています。他社さんのことなのでおそらくですけれど、新しい会社で、商品認可など機動力もって進めたい狙いがあるんじゃないですかね。「贈るほけん」に話戻りますが、FinTechらしく、保険金の受け取りもLINE Payでできるようになっています。

「簡単」

次のポイントですけれども、簡単であることです。やはりLINEは簡単に保険に入れるというところに大きく期待があるのではないかと思っているので、そこにはすごくこだわっています。

次のポイントですけれども、簡単であることです。やはりLINEは簡単に保険に入れるというところに大きく期待があるのではないかと思っているので、そこにはすごくこだわっています。

まずアクセスが簡単です。LINEを起こして、フッターに「ウォレット」ボタンがあります、「友だち追加」との「トーク」しか使っていないユーザーも多いかもですが、若い子はタイムラインとか使ってニュースも見ていますよね。

話が逸れましたが、「ウォレット」のボタンを押すとウォレットメニューの中に「ほけん」ボタンがあります。なのでアプリ起動からLINEほけんまで3ステップで来られます。これがwebサイトですと、ブラウザを開いて検索でLINEほけんという感じになりますが、LINEほけんはもっとアクセスが簡単なのです。

また、サービスリリースした時に保険業界の人から関心を集めたポイントの1つだと思うのですが、購入が簡単ということで、お客様には使い勝手の上で問題なく、保険業法の監督指針とも照らし合わせて問題ない姿を追求した僕らの中での結果が、現在のLINEほけんの加入ステップです。

初めてLINEほけんを買うとか、LINE Payも使ったことがない方になると、少し加入ステップが増えますが、一回LINEほけんで保険商品を買って、自分の顧客情報を入力したりとか、もともとLINE Payを使っていたりという方は高速でほけん加入ができます。今はPayPayとか色々あり話題になっているので、すぐに皆さんが当たり前にLINE Payを使っていると世の中になると信じて取り組んでいます。

「身近」

次のテーマは身近というところです。LINEほけんは生活の中に溶け込むというところを重視しています。まず商品名がキャッチーで、補償内容が身近で、しかも100円からというお手頃な保険料です。

そして、オフラインでもLINEほけんを拡大していくということにも取り組んでいます。LINEほけんは自社広告、私たちはインナー広告と呼んでいるのですが、自社のプラットフォームを広告に使えます。
インナー広告でリーチできる人はすごく多いものの、7900万のユーザーの中にはインナー広告ではリーチしにくい層も存在するので、LINE以外の方法でも、LINEほけんを広げる取り組みを提携先と一緒にやっています。スポーツショップ・施設を展開するアルペンさん(アルペン保険サービス)、信州で鉄道やバス事業を中心に展開しているアルピコさん(アルピコ保険リース株式会社)、滋賀で流通と小売事業を展開している平和堂さん(株式会社平和堂)の三社でまず始めました。保険業界の方はおなじみの共同募集ですね。損保でいう代理店手数料分担です。提携先のみんなでどんどん外でもLINEほけんという存在を広げていきたいと思っております。

LINE Beacon

新しい取り組みとして、LINE Beaconを活用した募集も始めました。LINE Beaconは、街中等に設置されたBeacon端末からの信号情報と連動して、「LINE」上でユーザーとコミュニケーションを行うことのできるサービスです。山手線によく乗る人はひょっとして昨年触れることがあったかもしれませんが、LINE Beaconの仕組みを利用して、昨年JR東日本様と共同で期間限定の取り組みを実施しました。山手線の改札を通る際にBluetoothをオンにしていると、LINEの画面上にLINEマンガからキャンペーン告知が出て、山手線の駅周辺を舞台にした限定オリジナルマンガが読めるというキャンペーンで、駅の改札を通過する利用者に対して、山手線の駅とその周辺の街を舞台にした限定オリジナルマンガを配信することで、街の魅力アピールと駅の利用活性化を目指したものです。[D1] そのLINE Beaconの仕組みを使って、白馬のウィングヒルズというアルペンさんのスキー場にLINE Beaconを置いて、スキー場に来るとリフト券を買う前に「保険に入らない?」ということで広告が来ます。特に損保は、勧められたら入ったという場合でも、そもそもそんな保険があることを知らないなど、加入機会を逸しているケースが多いかと思うんです。そういった、ちょうど今からスポーツをやるというときに通知が来ます。ゴルフ場とかにも置きたいなと思っているんですけれども、例えばプレー前に保険に入っていないといったときにLINEは見ますよね。そこで「あ、そうか。保険入るか。」という新しい顧客体験をやっていこうというのがLINE Beaconによる取り組みです。

贈るほけん

もう一つが、「贈るほけん」です。先程ある程度話したので重複しちゃうんですけど、これはとても簡単でして、例えばAさんから堀江に地震保険を贈ることを考えてみましょう。Aさんは僕を選択して保険を贈ります。保険をプレゼントされた僕が自分の情報を入力していくと、僕自身が契約者になります。保険料は贈った側の人が負担するという形になっています。他にも、「贈るほけん」の商品詳細画面の右上には「おねだり」というボタンがあって、誰かにこの保険をプレゼントしてほしいと思ったらその人に、これが欲しいとおねだりをするというように、保険を通じてコミュニケーションするプラットフォームを作りました。

一本目は地震保険ですが、どんどん商品追加していくので期待ください。ところで、なぜ地震保険にしたのかということで、色々と意味合いはあるんですけれども、その背景をご説明します。

第一に、LINEは東日本大震災をきっかけに生まれたサービスです。それ以来、震災や防災に対する取り組み、スタンプの売上金を寄付するなどのCSRの取り組みを行っており、。会社の理念に通じるのが理由の1つです。

他には、FinTechっぽい機能も実現したくて、契約者のお住まいの地域が震度6以上になると1万円をLINE Payでお支払いするという補償になっております。

これの仕組みとしましては、地震が発生した際に、どこのエリアで地震があったのかは保険会社の方で分かるので、それを元に給付対象となる顧客を特定します。給付対象になったユーザーのもとにLINEから通知が来て、「あなたは給付対象なので被害を登録してください。」というステップがあります。このステップを省略していきなり入金というのもテクノロジー的にはできるんですけれども、まあここが、このあと話すかもしれないんですけれども、法律の壁というか、認可の壁というか、顧客が実害を受けていることについて、事実を積み上げないと通らないところがあるので、そこを色々と検討した結果、このステップは必要だと判断して、被害報告のステップが入っています。ひょっとしたら、色々と考えることで、被害報告のステップも省略する方法があるのかもしれないですけれども、現時点ではこういう形になっています。というわけで、被害報告を書いてくれるとLINE Payのアカウントに保険金1万円円の残高が付与されるという形になっています。

このような世界観を実現するためには、地震保険ならお客さんから保険金請求の連絡が来る前にこちらで給付対象になった顧客を把握できる、そしてLINEというメッセージアプリの原点が2011年の震災ということもあって、「贈るほけん」の第一弾は「地震のおまもり」になりました。「贈るほけん」については今後、どんどん商品を増やしていきたいと思っています。

最後に。

まとめになりますけれども、いつでも使っているLINEで誰でも簡単に加入できるLINEほけん。LINE Payで決済も簡単。7900万のLINEユーザーから送客。公式アカウントから耳寄りな情報を、適切なタイミングでプッシュ通知ができる。スタンプやLINE Beaconなど、LINEの他のサービスも活用することで、より身近な演出ができるといったのが、我々の強みです。ご清聴ありがとうございました。